私のミライースは、バッ直でDJI Power 1000 Mini(約1000Wh)に常時400Wで走行充電できるようにしています。ただ、今年の夏にミライースでエアコンを使ってみて、1000Whだけでは全然足りないことがよく分かりました。
そこで思いついたのが、DJIのAC出力からDABBSSON 2000Lにも充電して、走行充電器なしで約3000Whを走行充電するという計画です。我ながら天才やと思いました。
結論から言うと、失敗しました。DJI側がエラー15(インバーター過負荷)で止まってしまい、何回やってもDABBSSONに充電できません。原因は、充電を始めた瞬間だけ流れる1000W超の突入電流でした。この記事では、失敗の原因と、走行充電で車にかかる負担、そして「じゃあミライースでどうするか」までまとめます。
この記事でわかること
- ポタ電からポタ電へのAC充電が「急速充電タイプ」だと失敗する理由(エラー15と突入電流)
- 走行充電でメインバッテリーは弱るのか(弱るのはオルタネーター)
- 走行充電中のミライースの燃費(28km/L→20km/L前後)
- 走行充電器なしで運用するなら、どう使い分けるか。ソーラーという選択肢

1000Whのポタ電では、エアコンに歯が立たなかった
前回、ミライースでポータブルエアコンを使ってみて思ったのが、1000Whのポータブル電源だけでは全然歯が立たないということです。
DJI Power 1000 Miniは、走っている間はバッ直で常に400W充電されています。それでも、夜はこのエアコンが2時間足らずしか動かせません。エアコンに全振りしても、よくて3時間くらい。そのうえ、ほかの電気は使えなくなります。

ミライースにこのエアコンを積んで車中泊に行くなら、電源をどうするか。いろいろ考えて、もう1台、DABBSSONの2000Lも一緒に充電できないかと思いついたわけです。
計画|走行充電器なしで3000Whを走行充電する
まず、ミライースの走行充電システムです。バッ直をして、D端子と呼ばれるDC充電の口を引いています。DJI専用のこのケーブルの中に走行充電の機能が入っていて、12.8Vの電圧を昇圧して400Wまで充電してくれます。走って、挿すだけ。これで400W入ります。

一方のDABBSSON 2000Lは、アプリで10Wから1000W以上まで、充電の速さを細かく設定できます。
ということは、DJIには常に400W入ってくるので、DJIのAC電源からDABBSSONに300Wで流してやれば、DABBSSONを充電しつつ、DJIも充電されていく。DJI側は直流なので電力の損失もない、DABBSSON側はAC充電なので多少ロスはあっても300Wで入る。これで約3000Whのポータブル電源を、走行充電器なしで走行充電できる、と考えました。

本来、DABBSSONのような他社のポータブル電源をミライースで走行充電するには、別に走行充電器が必要です。DJIのケーブルはDJI専用のD端子なので、ほかの機種には使えません。もしこの計画がうまくいけば、ケーブルと本体を合わせても6万円かからずに、ポータブル電源と走行充電器が一気に手に入る。素晴らしいプランやと思ったんですが……。
検証|DABBSSON 48%から充電してみた
DABBSSON 2000Lを持ってきました。残量は48%。アプリで300W充電に設定してあります。

DJI Power 1000 Miniのインバーターは1000W。DABBSSONは300Wで充電されるんやから、全然いけるやろうと思っていました。

DJIのACボタンを押します。アウトプットに11Wと出て、「これで充電されていくな」と思った瞬間、「ピッ」と鳴って充電がストップしました。


表示されたのは「エラー15」
DJIの画面にはエラーコードが出ていました。エラー15。これは、インバーターが過負荷で落ちたというエラーです。

もう一度ACボタンを押してみると、「カチッ」とリレーが入って、アウトプットに一瞬72Wが出ます。ところが、また「カチッ」といってエラー15。何回やっても同じでした。

原因は、充電を始めた瞬間の「突入電流」
DABBSSON側の設定は300Wです。ところが、充電を始めた瞬間だけは1000Wを超える大電流が流れる。これがいわゆる突入電流です。DJIのインバーターは1000Wなので、この一瞬に耐えられずに落ちてしまったわけです。

DABBSSON 2000Lは大容量の2000Wh級で、最高出力なら1000W以上でどんどん充電していける機械です。そこに1000Wh級の小さめのポータブル電源から給電しようとしても、インバーターが足りない。設定した300Wではなく、「瞬間」で決まってしまうということです。
ポータブル電源を母艦にして、ほかのポータブル電源を充電していけると踏んでいた私にとっては、かなりの大誤算でした。
2000Whだからではなく、「急速充電タイプ」は同じことが起こる
注意してほしいのは、2000Whだからできないのではないということです。こういう高出力で急速充電できるタイプは、どれも同じようなことが起こると思います。
昔の、常時100Wくらいしか入らないポータブル電源なら、この方法でも充電していけるかなと思います(今回は試していません)。ただ、今のポータブル電源はほとんどが急速充電タイプ。小さいポタ電を「基地」にして、ほかのポタ電を充電する使い方は難しいと覚えておいてください。

正攻法は、やっぱり走行充電器
結局、DABBSSONのポータブル電源をミライースで走行充電するなら、BLUETTIのCharger 1やEcoFlowのオルタネーターチャージャーのような走行充電器をかませないといけません。つまり、そこにお金がかかる。「タダで3000Wh」はうまい話ではなかった、ということです。

走行充電で、メインバッテリーは弱る?
ここからは、走行充電をしていると車に何が起こっているのか、という話です。よくいただく質問が「走行充電していたら、メインバッテリーが弱るんじゃないか」というもの。
答えは、メインバッテリーが弱ることはないです。バッテリーは電気を貯めて放電する、それだけの部品です。劣化するのは充電と放電を繰り返すからで、バッ直ケーブルからサブバッテリーやポータブル電源に電気が流れていっても、それでバッテリーが劣化するわけではありません。

じゃあ何が消耗するのかというと、オルタネーター(発電機)です。オルタネーターは、本来バッテリーに電気を貯めたり、車全体に電気を送ったりするもの。必要な分を送り終わったら休んで、また発電して、を繰り返しています。
ところが走行充電中は、ケーブルから常にサブバッテリー側へ電気を吸われ続けるので、オルタネーターは休みなく発電することになります。これがめちゃくちゃ負荷になるんです。
オルタネーターは消耗品。アルファードは交換に約3万円
オルタネーターは消耗品です。私のアルファードも1回交換していて、リビルド品で3万円くらい払いました。電気を吸い続ければ、普段より早く寿命が来ます。高出力のオルタネーターを積んでいても同じです。
なので、走行充電をしている人は「自分は走行充電でサブバッテリーを充電しているんやから、オルタネーターの寿命は早く来るよね」と割り切って使うのがいいと思います。最近替えたばかりなのにもう壊れた、ではなく、普通ではありえないくらいの負荷をかけて運転しているんだ、と意識しておいてください。
走行充電中の燃費は、28km/L→20km/L前後に
ミライースは特にその影響が出やすい車です。オルタネーターがアルファードに比べて小さいので、走行充電中は常に負荷がかかりっぱなしになります。
負荷がかかると、エンジンは発電しようと一生懸命回ります。つまり効率が落ちて、燃費が悪くなる。特にアイドリング中はそうです。

実際、以前はリッター28km走っていたミライースが、前回の給油ではリッター20km前後まで落ちました。正直、エアコンをずっとつけているし、アイドリングの時間も長いので、走行充電だけが原因ではありません。それでも、燃費はどんどん落ちていきます。

もともと燃費の悪いキャンピングカーでガンガン走行充電すれば、燃費はさらに悪くなります。サブバッテリーシステムを積んだ車の燃費が悪い理由の一つは、ここにあるのかもしれません。
じゃあ、どうする?ミライースの現実解
ミライースで取れる対策は、2つしかありません。専用の走行充電器を買ってバッ直をやり直すか、DJI Power 1000 Miniだけで回していくかの二択です。

DJIだけで回す場合は、DJIは走行充電で常に回復する主電源と考えて、DABBSSONはいざという時のストックとして取っておきます。エアコンもDJIから電気を取って動かす。そうすると、最初に減っていくのはDJIで、なくなった段階でDABBSSONを使う形になります。
常にDJIを使いながら、DJIを走行充電で戻していく。この使い分けなら、2泊くらいは持つんじゃないかと思っています(実際に2泊して確かめた数字ではなく、見込みです)。ソーラーパネルなしで走行充電だけでやっていくなら、「回復する方から使う、足りなかったらストックを使う」が基本やと思います。

長く電気を確保したいなら、やっぱりソーラーパネル
私の動画では何回も言っていますが、バンライフをする方にはソーラーパネルをおすすめしています。ソーラーで充電すればオルタネーターに負荷がかからないので、車の負担は減ります。
先日、矢田川に行ったときにもその話になったんですが、冷蔵庫を常時動かしていくには、100Wでも200Wでも、ソーラーパネルがあるのとないのとでは全然違うそうです。一度導入してしまえば、停車していても太陽が出ている限り電気を送り続けてくれます。

買う前に「捨て方」まで考える
ただし、ソーラーパネルは捨てたいと思ったときの廃棄が非常に面倒です。ソーラーパネルも、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのサブバッテリーも、ポータブル電源も同じです。
有名なメーカーなら回収や処分の方法まで用意してくれていますが、よく分からないメーカーのものは処分先が見つからないこともあります。どうやって処分するかまで考えて選ぶようにしてください。

まとめ|ポタ電からポタ電への走行充電は「急速充電タイプ」だと失敗する
- DJI Power 1000 Mini(バッ直400W)のAC出力からDABBSSON 2000Lを300Wで充電しようとしたら、エラー15(インバーター過負荷)で失敗
- 原因は、充電開始の瞬間に流れる1000W超の突入電流。DJIのインバーターは1000W
- 2000Whだからではなく、急速充電タイプのポタ電は同じことが起こると思う。正攻法は走行充電器
- 走行充電で弱るのはメインバッテリーではなくオルタネーター(アルファードの交換はリビルド品で約3万円)
- ミライースの燃費は28km/L→20km/L前後(エアコン・アイドリング込み)
- 現実解はDJIを主電源、DABBSSONはストック。長く電気を確保したいならソーラー。買う前に処分方法まで
せっかくいい方法を思いついたと思ったんですが、撮ろうとしたら充電できず、一度はボツにした企画でした。ただ、同じことを考えている方はきっといると思うので、失敗も含めて共有しておきます。来年の夏に向けて、軽自動車の電源を組み直そうと考えている方の参考になればうれしいです。
この記事に出てきたポータブル電源
▼DJI Power 1000 Mini
▼DABBSSON 2000L(ポータブル電源 2048Wh)
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